未来につなぐ環境学習講座・「竹害」から「竹財」へ~地域と共に竹の未来を考える~
旧小野中学校の校舎をそのまま使った施設を見学しました。竹の利活用を紹介したパネル展示、日本の竹や竹炭、竹の根の展示、著名な作家による竹細工・竹製品の展示など、竹にまつわる情報や作品が網羅されていて、竹の魅力や無限の可能性を堪能することができました。参加者は、竹の種類の多さに驚いたり、竹の地下茎や竹の花など、普段見ることのない竹の生態をじっくり観察されていました。
エシカルバンブー株式会社の竹LABO運営管理部長 宮﨑清氏の講義では、山口県の竹の種類・特徴や、竹林が広がり「竹害」となる状況について学びました。放置された竹林の繁茂・拡大が急速に進むことで、人工林への侵食や豪雨災害発生の危険性は高まること。これからは、竹林を伐採して資源循環させたり、生えてくる竹を定期的に除去することで森林・里山に再生したりといった「管理」を考えていかなくてはならないとのことなどのお話をいただき、現実問題として竹に困っている参加者もおられ、有意義な講義をいただいた。
エシカルバンブー株式会社の代表取締役社長・竹LABO館長 田澤恵津子氏による講義では、「エゴではないエコ」、「山や森を整備するためのものづくり」を目指す田澤氏の熱意溢れるお話をいただきました。竹は労働力のわりには事業にならず、炭焼き技術の海外流失、竹炭や竹製品の逆輸入などを招き、現在の日本は竹の後進国であること。そんなマイナスイメージのある「竹」を持続可能な資源として、竹の機能性を生かした日用品を作ろう!という田澤氏のプラス思考と、山口県の竹(竹のミネラル研究をしている方がおられたこと、県が竹問題に取り組んでいること、竹が豊富にあること)が結びついたということ、今後は、100年先も持続可能な事業とするため、次世代の子どもに竹の魅力を伝える総合学習や、バイオプラスチック研究、バンブーエキスパート制度などに取り組んでおられることなどの内容で、常に山口県の竹のことを考え、前向きに挑戦される田澤氏の姿勢に、参加者は大いに触発されました。