未来につなぐ環境学習講座「海洋ごみが私たちに教えてくれること」
TYSテレビ山口株式会社 原田真吾氏によるお話を聞いた。TYSは、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」の山口県事務局「海ごみゼロ維新プロジェクト実行委員会」より業務委託を受け、放送局としての一番の強みであるイベント・放送を連動した広報・啓発を行っている。昨年は「薩長海ごみゼロ同盟」と銘打ち、鹿児島県と同日にごみ拾いを実施したり、防府市富海海岸に海ごみ専用の「拾い箱」を設置したりといった活動に取り組んだということで、その啓発映像を視聴した。海岸のごみ拾いが映像によって具体的につかめたほか、原田氏作成のアンケートの回答には、学校や地域で取り組める機会が欲しいとの意見もあり、自分が取り組めることを行動に移したいという参加者の意欲が感じられた。
水産大学校 助教の嶋田陽一先生によるお話を聞いた。世界人口の増加がごみの増加、更に海ごみ(海岸漂流物)の増加にも繋がることや、海岸で見る海ごみはペットボトル、レジ袋、ロープ、ブイ、タバコ、漁網、カキ養殖に使う部品など、陸や海でそれぞれ捨てられた物であることがわかった。また、嶋田先生持参の海ごみを目で見て触って確認したり、海ごみの重さによる浮き方の違いについてペットボトルを使った実験で体感したりした。いつまでも浮いている小さな破片の海ごみは魚や鳥が食べてしまう。また、海流と風によって移動した海ごみは途中で漂着もするが、遠くはアメリカ大陸まで到達する。参加者はこうした海ごみの種類や流れる仕組みを知ることで、家庭で出るごみとの密接な関係に気付き、改めて今後の生活でのごみ削減の必要性を確認することができた。