公益財団法人 山口県ひとづくり財団 県民学習部 環境学習推進センター
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環境学習講座「気候変動に伴う天然水産資源の変化」

地球温暖化の進行による天然水産資源の変化について、“気づき”、“知る”ことで気候変動がもたらす影響について考える講座を、水産大学校生物生産学科の高橋洋教授と山口県気候変動適応センターの元永直耕及び惠本佑専門研究員を講師に開催しました。(受講者32人)

 

【講義 山口県の気候変動影響と適応策について】

気候変動適応センターは、令和3年7月に山口県環境保健センター内に開設され、大学や研究機関と連携しながら、気候変動影響・適応に係る情報収集や発信をされています。

元永講師からは、世界と日本、県内の気象観測データを示しながら、「国は最高気温が40℃以上になる日を新たに“酷暑日”としたが、人間の影響が大気、海洋、陸域を温暖化させてきたことには、疑う余地がなく、山口県内でも真夏日や降水量は、実際に増加傾向にある。」ことなど、その現状や将来予測される影響についてくわしく説明していただきました。その上で、気候が変わることでの被害を最小限に抑えるための取組である「適応策」の必要性と山口県内の事例(URL: https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/soshiki/246/306228.html 参照) につて、紹介していただきました。

惠本講師からは、インターネットで様々な気候変動適応情報を“見える化”して発信する「やまぐち気候変動適応情報プラットホーム」(YPLAT URL:https://yplat-ylccac.hub.arcgis.com/ 参照)など、県の取組を紹介していただきました。特に、「これって気候変動?みんなで調査!」での気候変動に関して“自然生態系”、“暑さ”、“雨の降り方”などの変化について県民からの気づきを収集・公開するアプリや近くの避暑施設を確認するアプリ、熱中症リスクを回避・軽減する情報の発信など、実際にYPLATを開いて詳しく説明していただきました。

 

【講義 気候変動の影響によるフグ類の漁獲海域変化や雑種の増加について】

高橋教授からは、「日本海は海水温が上昇するペースが速く、フグ類の漁獲地は15年前は福岡県が1位(545トン)、山口県が2位(498トン)たったものが、現在は北海道が1位(1990トン)、石川県が2位(547トン)に変化しており、海水温の上昇に伴い漁獲地が現実に北上していることを示され、それに伴いフグの繁殖地も変化し、大規模な交雑現象で“雑種のフグ”が増加していることを教えていただきました。

このため、フグの取扱いに不慣れな地域での漁獲や雑種もフグが増えることによるフグ毒の食中毒を防止するために、国は、フグ処理免許の強化など、フグ食の安心・安全の確保の取組を進めていることなどのお話をされました。

また、実際にショウサイフグ、ゴマフグとその交雑種の3個体を用意していただき、受講 者は、見て、触れてその鑑別にトライしました。3個体並べて、先生の説明を受けながら鑑別すると、その違いがわかりますが、1個体だけで雑種かどうかを鑑別するには、相当な経験と熟練が必要です。

 

気候変動の影響は、自然界の様々なところで確実に起きており、我々の食の安心・安全の確保にも影響していることを知り、気づき、そして、それを守ることや適応方策を考えることの重要性について学ぶことができた充実した講座となりました。